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第三回 イヌの社会化の重要性について



大変ご無沙汰しました。ドッグトレーナーみとちです。
9月に入りましたが、まだ日中は暑いですね。夏休みが終わり、ワンちゃんも夏の疲れが出て、体調を崩しやすい季節です。たっぷりの栄養補給と、ゆっくり休養が出来る環境づくりを心がけて下さい(*^_^*)



さて、お久しぶりの第3回は、イヌの社会化についてお話します。
いろいろなところで昨今、その重要性が伝えられているイヌの社会化ですが、日本にはまだまだ浸透していない現状もあります。

とも&みとちが毎月定例で開催をしているイベントでは、たくさんの飼い主さんからしつけに関するお悩みのご相談をいただきます。
その上位3位は、以下の通り。

第1位 恐がり(家族以外の人やワンちゃんと仲良くできない)
第2位 吠える(人の動き、物音など)
第3位 咬みつき、甘噛み(人の手、他犬、家具やクツ、洋服など)
次点(笑) トイレが上手にできない(マーキングを含む)

「あら、うちの子もだわ!」
なんて、お心あたりのある方も多いのではないでしょうか!?
そうなのです。お悩みには共通のポイントも多いのです。
上位3つのお悩みのすべてに共通する原因、それは幼児期の「社会化不足」です。



以前もお話しましたが、イヌには「社会化期」と呼ばれる、その成長過程における大変重要な時期があります。生後3週齢から12週齢くらいまでの好奇心がより旺盛なこの時期には、人間と一緒に生活するうえできっと遭遇する「あらゆること」や「あらゆるもの」を、経験させてあげることがとても重要です。

◆人 → 人にも年齢や性別、職業によりいろいろバリエーションありますよ!
◆におい → 食べ物だけでなく、おうちにあるもの、お外や草むら、他のワンちゃんなど
◆音 → 家の中で聞こえるあらゆる生活音、クルマやバイク、工事現場、雑踏など
◆感覚・感触 → 草、土、石、コンクリート、段差、水たまり、格子など
◆他の犬 → 子犬、成犬、犬種や性別の異なる犬、遊べる犬とそうでない犬など

あげればきりがありません。
飼い主さんの想像力がものを言いますよ!よぉぉく頭をひねって、考えてみましょう!


わが家のデールは幼児期から多頭飼育環境で、ずーっとよく社会化されたオトナのワンコと一緒に暮らしていました。よって、単独行動があまり好きではありません(笑)
だから、お散歩は極力単独。これもひとつの社会勉強。



イヌは、この「社会化期」をどう過ごすかによって、その後の一生が左右されます。
そして、社会化期が終わっていくと、警戒心のレベルがグッと上がり、新しいものや環境にすぐに順応することが難しくなり、結果、恐いものがたくさん増えてしまいます。
そして、本来は大好きなはずのお外のお散歩や、他のワンちゃんとのご挨拶にすら、ストレスを感じるようになっていくのです。
とっても、かわいそうなことです。


ところで。
イヌは、お互いにコミュニニケーションをはかるための、大切な「言葉」をもっています。
そう、ボディランゲージです。
イヌは、他犬と遊ぶことで、咬むチカラのコントロールの方法(痛いことしたら遊んでもらえなくなるぞ!)や、相手の言葉(ボディランゲージを読まないと嫌われちゃうぞ!)を学びます。



相手が何を言っているのかわからない・・・
でも、なんだか積極的ににおいをかがれたり、ちょっかいを出されたり・・・
こいつは仲間なのか、敵なのか・・・ううーどうしたらいいんだろう!

さあ、皆さんも想像してみて下さい。
そんな状態になったら、私だったら、
一目散になりふり構わず、その場から逃げ出すか、
勇気をふりしぼって恐怖の対象の相手を追っ払うために戦うかしかありません!
(いや、たぶん逃げます^^;)

それが、社会化されていないワンちゃんたちの状態です。

他のイヌを恐がるワンちゃんには、社会化期に他のワンちゃんと遊んだり、一緒に過ごす時間や経験が足りない子が、圧倒的に多い傾向があると、みとちも現場で日々、痛感しています。

◆吠える
◆咬む
◆逃げるものを追う
◆引き裂く

これらはすべて、イヌの本能なのです。
イヌは動物です。
動物は、生きていくために獲物を捕らえなければ種の保存ができません。
だから、獲物を、追い、狩り、吠え、咬みつき、食します。
大昔から、自然界で生きてきたイヌたちにとっては、ごくごく当たり前の行為です。
でも、人間と暮らすためには、その行為をすべて受け入れるわけにはいきません。
だから、その本能、行為を抑制するために、積極的なトレーニングが必要なのです。
イヌが自主的にお勉強をして、制御してくれることは決してありません!


さあ、こちらはアグリ犬猫里親会出身のまめたくん。
黒豆柴ちゃんらしく、パピーの頃は日本犬気質の強い子でしたが、パパ様、ママ様の徹底的な社会化トレーニングによって、今ではどんなワンちゃんとも仲良く遊べ、初めての場所でも落ち着いていられます。
社会化とはこういうこと、というお手本を見ているようですね。素晴らしい社会性です!



人間社会で暮らすイヌたちは、不思議なことに生まれたときから「安心安全」だと思われている節がありますね。
でも、それは少し違うと、みとちは思います。
「安心安全」な生活は、イヌたちの本能的行為を抑制し、コントロールして初めて約束されるものだと考えるからです。

私たちの生活に密接に関わっているものに置き換えて考えるとわかりやすいかもしれません。

例えば、原子力発電所。
日々、職員の皆さんの最大限のリスク管理によって、これまでは安全に運用されてきました。
でも、やはり想定外の事態に陥り、結果、残念ながら事故になりました。

例えば、お医者様からの処方薬。
健康になるために投与されるものですが、適量を誤れば命にかかわることもあります。


私たちの生活に必要なものは、そのほとんどがさまざまなリスク管理によって、「安心安全」が維持されています。
それなのに、なぜイヌたちは例外なのか、みとちはとても不思議に思います。

確かに、イヌの赤ちゃんはカワイイ!
もーあったかくてふわふわで、ぬいぐるみみたいで、ついつい甘やかしてしまいがちです。
パピーのうちは、それでも圧倒的なチカラの差、体格差があるので、大きな問題になりません。
が、イヌたちはあっという間に成長します。

だから、ギャップが生じてしまいます。
「こんなに悪い子じゃなかったのに、咬むなんで・・・」
そして、結果的に飼い主さんの手に負えず、棄てられたり、直接愛護センターに持ち込まれるイヌたちがいます。
持ち込まれたイヌの4割は、社会化不足による問題行動によるものではないか、とも言われるほどです。
今、わが家にステイしているタッキーくんも、おそらく同じようなプロセスで遺棄された子でしょう。

こんなに可愛いのに・・・



とても不幸なことですね。

人間もそうですが、オトナになってから習慣やルールを変えることって、とっても大変ですよね。
イヌも同じです。
問題行動の矯正トレーニングはいま、最もご依頼が多いトレーニングです。
原因さえ明らかになれば、大半の問題行動については、解消する方法を見出すことはできます。
もちろん私も、愛犬とのシアワセな生活をあきらめずに、私たちドッグトレーナーを必要として下さる飼い主さんたちのために、誠心誠意、全力でのぞみます。

でも、成犬になり、社会化不足による前述のような問題行動(恐がる、咬む、吠える)が表れるようになってから矯正トレーニングを行うことは、ワンちゃんにとっても、もちろん飼い主さんにとっても、大変な精神的な負荷がかかります。

だからこそ、パピーの社会化トレーニングを積極的に行ってほしいのです。
パピーの社会化期は、あなたの愛犬の一生を左右する、重要な意味をもつ大切な時間なのです。
それを、皆さんにお伝えしていくことも、私たちドッグトレーナーの大きな使命だと考えています。




社会化には、終わりはありません。
ただ、社会化期から1歳を迎える頃までの1年間は特に!集中的に取り組みましょう。
ワンちゃんの寿命を15年と考えれば、1年間しっかりと頑張れば、残りの14年は「安心安全」で「平和」な楽しいワンダフルライフが待っていると言っても過言ではありません!

人間の人生に比べたら、ワンちゃんと一緒にいられる時間はたったの15年です。
大切な時間だからこそ、もっともっとシアワセな時間にしてあげたい。
大切な家族だからこそ、もっともっと愛しみ合い、楽しんでほしい。

それこそが、
とも&みとちはもちろんのこと、日本のドッグトレーナーたち全員の願いだと思います。
皆さんも、新しくパピーをお迎えになるご家族様にお会いした時には、ぜひぜひ社会化の重要性について、お伝えいただければ嬉しいです。



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